2023年11月3日(金・祝)公開『おしょりん』


INTRODUCTION

日本のメガネの95%を生産する福井県
メガネ工場を立ち上げた兄弟と二人を信じ続けた妻の愛と感動の物語

 日本製メガネの95% は福井県で生産されている! その始まりは、明治時代のことだった。豪雪地帯のため冬は農作業ができず収入の道がなくなる村を助けようと、その地で生まれ育った増永五左衛門と幸八の兄弟が、全身全霊を注いだのだ。その史実をもとに、“ものづくり”の魅力と、実用品かつ装飾品でもあるメガネに渾身の技術と魂を吹き込む職人と、そんな彼らを支える家族を描く。
 「おしょりん」とは、田畑を覆う雪が固く凍った状態を指す福井の言葉。おしょりんになれば、回り道しないで好きなところへまっすぐ行ける。いくつになっても、どんな時も、夢に向かって自由に突き進もうという想いが込められた、挑戦と情熱と愛の物語がここに完成した。

 時は明治37年、福井県足羽郡麻生津村あすわぐんあそうづむらの庄屋の長男・増永五左衛門と結婚したむめは、育児と家事で忙しい日々を送っていた。ある日、五左衛門の弟の幸八が勤め先の大阪から帰郷し、村をあげてメガネ作りに取り組まないかと持ち掛ける。今はほとんど知られていないメガネだが、活字文化の普及で必ずや必需品になるというのだ。成功すれば、冬は収穫のない農家の人々の暮らしを助けることができる。初めは反対していたが、視力の弱い子供がメガネをかけて大喜びする姿を見て、挑戦を決めた五左衛門は、村の人々を集めて工場を開く。だが、苦労の末に仕上げたメガネが「売り物にならない」と卸問屋に突き返され、資金難から銀行の融資を受けるも厳しく返済を迫られ、兄弟は幾度となく挫折する。そんな二人を信じ、支え続けたのが、決して夢を諦めない強い心を持つむめだった。彼女に励まされた兄弟と職人たちは、“最後の賭け”に打って出る──。

STORY 

莫大な借金で大ピンチ!

 豊島の発案で、職人たちを3つの班に分けて競わせると、たちまち成果が上がる。だが、まだまだ売上は安定せず、明治38年11月、五左衛門は銀行から追加融資を断れれてしまう。むめは実家に援助を頼みに行くが、両親(榎木孝明・東てる美)から引き換えに離縁を迫られる。
 半年後、徐々に売り上げは伸びていたが、八郎が担当したメガネが、出来が悪いと突き返されてしまう。落ち込んだ八郎は身投げを決意して山に入るが、探しに来た五左衛門たちに助けられる。むめは八郎と職人たちに、「皆さんとこの村が自分の命より大切だから、最後まで諦めないでほしい」と涙ながらに訴えるのだった。

 明治44年8月、親方に昇進して班を任された八郎は成長し、増永眼鏡の経営は軌道に乗ってきたかのように見えた。だが、積もり積もった長年の借金はいまだ返せず、ついに銀行から融資の凍結と担保にしている増永家の屋敷の売却を迫られる。
 八方ふさがりの状況に、呆然とする増永兄弟とむめ。その時、「内国協賛品博覧会」のポスターを偶然目にした幸八は、増永のメガネを出品して優勝し、日本中の人々にその存在を知ってもらうという”最高の作戦”を思いつく。五左衛門は不可能ではと渋るが、むめが「皆の腕を信じましょう!」と後押しし、職人たちも挑戦への決意を固めるのだった。

最後のチャンス。目指せ1等賞!

 明治44年10月、増永兄弟とむめ、職人たちは、3つの班がそれぞれ作ったメガネから出品作を決めることにする。全員一致で選ばれたのは、美術品のように美しく、大切な人に贈り物にしたくなるような八郎のメガネだった。
 そしてついに、審査発表の日が訪れる――!

STAFF&CAST

北乃きい 森崎ウィン
駿河太郎 高橋愛 秋田汐梨 磯野貴理子 津田寛治 榎木孝明 東てる美 佐野史郎
かたせ梨乃 小泉孝太郎
監督:児玉宜久
原作:藤岡陽子「おしょりん」(ポプラ社)
配給:KADOKAWA
©「おしょりん」制作委員会

公式HP:https://movies.kadokawa.co.jp/oshorin/

2023年10月20日(金)より福井県にて先行上映開始
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月3(金・祝)より全国ロードショー